「そろそろ美容室に行こうかな?」
私は、東京の建物や人を少し観察して、予約している美容室に向かいました。
本当はもう少し見て回りたいけど・・・、予約時間に遅れるわけにはいきません。
私は、観光気分を切り替えました。
この距離なら5分ぐらいで予約した美容室に着きます。
こういう時、私は以外にも物覚えがいいのです。
美容室までの道は、頭にしっかりインプットされています。
なので、迷うことなく予約している美容室に着くことができました。
美容室に着くと・・・
『いらっしゃいませ!』
元気でさわやかな声が美容室に響きます。
おしゃれな店内、おしゃれなスタッフ・・・、ディスプレイもセンスがいい!!
「これが東京の美容室かぁ~」
予想以上の店内の雰囲気に、私は緊張しました。
私は場違いではないか・・・
少し不安を感じます。
「予約していた〇〇ですけど・・・」
私は、受付で予約していることを伝えました。
すると、
『〇〇様ですね。』
『本日は・・・』
受付の対応が違う!
私は瞬時に感じました。
声の大きさ、声のトーン、立ち振る舞い・・・、全てにおいてワンランク上・・・。
いや、スリーランクぐらいかも・・・
目の肥えてない私にも対応の素晴らしさが感じ取れます。
「やっぱり、東京は違うんだぁ~」
私は美容室に入って1分も経ってないのに、東京の美容室のすごさに圧倒されてしまいました。
同じ美容師なのに、私とこんなに違うと思うと自分のことが恥ずかしくなります。
「ここでしっかり学ばねば・・・」
サロンコンセプトが違うと言ってしまえばそれまでです。
でも、私は今日、ここに学びに来た・・・
盗めるところは全て盗んでやる!
私は、この美容室で盗めるところは全て盗んで自分のアイテムにしようと考えました。
待合に通され・・・
カルテの記入をお願いされました。
住所、氏名、年齢、職業・・・
私はハッとしました。
「職業??」
「職業ってなんて書こう?」
私は今回のサロン研修で、自分のプロフィール設定をしていないことに気付きました。
美容師であることを明かすか・・・
それとも伏せるか・・・
私は悩みました。
でも、あまり悩み過ぎると疑われる・・・
そう考えた私は、瞬時にプロフィール設定をしました。
職業はバーテンダー!(見習い)
設定は昨日から東京に研修に来ている・・・。
丁度、夜アルバイトをしているので、この設定はピッタリ。
私は、職業の項目に「バーテン見習い」と書きました。
カルテの記入が終わると、担当スタイリストの方が来られました。
女性の方が1人・・・、いや、2人??
私は最初、担当スタイリストと担当アシスタントかと思いました。
でも、よく話を聞いてみると、どうやら違うみたいです。
私を担当してくれるのは、ジュニアスタイリストの女性です。
その女性のフォローをしてくれるのがもう一人の先輩スタイリストです。
つまり、施術はジュニアスタイリストの女性が全て担当するけど、何かあった時は先輩スタイリストが担当するといった感じです。
「あぁ~、なるほど・・・」
担当者は、”指名無し”で予約を取ったので当然?と言えば当然です。
”指名無し”の場合、手の空いているスタイリスト、もしくはジュニアスタイリストが担当するのが相場です。
でも、私は、ジュニアスタイリストに施術されるのは嫌ではなかったので、快く担当をお願いしました。
まずは、カウンセリングから・・・
担当の美容師さんがカウンセリングをしてくれました。
正直、私は何も考えていなかったので・・・
「おまかせで!」
って、美容師さんにとって、”おまかせ”が一番困るんですよねぇ~
こういう人ほど、意外とこだわり多いから・・・
私も・・・、こだわり強い??ですね。(汗)
私の担当美容師さんは、そんな私の考えに気付いたのか?
仕上がりイメージをビジュアル化してくれました。
『こんな感じのスタイルに・・・』
「おぉぉ・・・」
「お願いします!」
私は、担当美容師さんの提案を受け入れることにしました。
続いて、シャンプー・・・
カウンセリングが終わると、シャンプーです。
私はシャンプー台に案内されました。
シャンプーは、男性のシャンプーマンが担当します。
「東京のシャンプーって、どんなシャンプーなんだろう?」
私と同じシャンプーマンなので、どんな仕事をするか興味があります。
じっくり観察しながら・・・、言われるがままに・・・、私はシャンプーされました。
「うぅ~ん、普通??」
シャンプーをされて思ったことがこれです。
すごく気持ちいいわけでもなく、気持ち悪いわけでもなく・・・
ただ、ひとつ覚えているのは、”愛想はないけど比較的丁寧だった”こと。
「東京の美容室だからと言って、みんながみんなすごいのではない・・・」
シャンプーをしてもらって、私はそう思いました。
シャンプーが終わると、
『マッサージしときましょうか?』
と、言われました。
私は、ちょっと迷って・・・
「お願いします。」
せっかくなので、マッサージをお願いしました。
感想は・・・
「うぅ~ん、普通??」
特に感動もなく・・・、可でも不可でもない感じです。
マッサージが終わると、セット面に・・・
いよいよカットです。
正直、私はカットのことは何にも分かっていないのですが、カットを一番楽しみにしていました。
「東京のカットだぁ~」
って、ジュニアスタイリストにカットされて喜ぶ私っていったい・・・
カリスマ美容師にカットされるのなら話は別ですが・・・
でも、当時の私は、これが嬉しかったのです。
カット中、カルテに書いた”職業”のことを突っ込まれました。
”バーテン見習い”と聞くと、確かに興味が湧くかもしれません。
私は、うまく会話をかわしながら・・・、自分が美容師であることを気付かれないように振る舞いました。
嘘を嘘で固めるのは・・・、少し罪悪感が残りますね。
あれこれ話していると、あっという間にカットが終わりました。
『気になるところはありませんか?』
担当の美容師さんに言われました。
特になかったのですが、私の勉強のために一つだけ・・・
「ここのクセが気になります!」
私は、髪の毛がクセでまとまらないところを指摘しました。
すると、担当美容師さんは、
『少しお待ちください!』
と言って、席を離れました。
そして、しばらくして戻ってきました。
セニングを3回、私のうねるくせ毛に入れました。
すると、まとまりが悪かった髪の毛が、クセと一緒に落ち着きました。
「おぉぉ・・・」
私は、感動しました。
いつも、うねって気になっていたクセが、わずか3回のセニングで落ち着いたのです。
感動です!
これは、この美容室に入ってから一番の感動でした。
「これが東京かぁ~」
私は再び、”東京ってすごいんだぁ~”と、思いました。
田舎者の私は、東京である出来事は全て東京の評価につなげます。
施術が終わると・・・
私は担当の美容師さんに名刺をもらいました。
最後の感動が印象に残ったせいか、名刺をもらうことがすごく嬉しく感じました。
そして、精算・・・
私はびっくりしました。
それは思ったより金額が高かったからです。
確かカットだけで予約したはずが・・・
内訳をみると、マッサージ代がプラスされていました。
「えぇっ??」
あの時のシャンプーマンの”マッサージしときましょうか?”と言われた時のマッサージです。
まさか別料金とは・・・
別料金なら別料金と言ってくれればいいのに・・・
最後の最後に・・・、私の感動は消え失せました。
「はぁ~・・・」
私は何事も無かったかのように、涼しい顔をして精算を済ませました。
そして、担当美容師さんに挨拶をして、美容室を出ました。
私がこのサロン研修で学んだことは?
①東京の美容室・美容師が全てすごいのではない
②カリスマ美容師でなく、ジュニアスタイリストからでも学ぶところはある
③美容室に行くときは、少し多めにお金を財布に入れておく
これが私の初東京、初美容室の出来事です。
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