自宅にも固定電話がないので、誰かに電話するときはいつも公衆電話から電話します。
貧乏美容師のつらいところです。
でも、そんな私にも携帯できる電話を持つことができました。
その電話とは・・・PHSです。
よく、ピッチと呼ばれていたものです。
今では、ピッチなんて言葉聞かないですよね~
でも、当時の私にとってピッチはとても新鮮で最先端のものでした。
やっと時代の流れについていける・・・
そんな思いにさせられる、PHSは素晴らしいものです。
スタンドのアルバイト始めて一週間。
スタンドの雰囲気に慣れ始めて来たある日のことです。
ママが私に、
「ピッチを買ってあげる!」
と、言ったのです。
「えっ??」
私はびっくりして・・・少し戸惑いました。
確かに電話がないのは不便です。
ママは、お店から私に連絡が取れないのが不便ということで、私にPHSを買ってあげると言ってくれたのです。
もちろん、私からお店に連絡する時も可。
それ以外にも、私用でPHSを使っていいと言ってくれました。
でも、やっぱり・・・
私はお金のことが気になりました。
私にはお金が無いので、基本料金と通話料が払えません。
支払いはどうすればいいのか・・・
気になってママに聞いてみると、
「うちが払うから大丈夫!」
と一言。
「・・・・・・・」
私は返す言葉がありませんでした。
「ただより高いものはない!」と言いますが、どうなのでしょう?
私は少し不安に思いました。
でも、ママは優しく思いやりのある人です。
なので私は、ママの言葉に甘えることにしました。
「ありがとうございます。お願いします!」
私はPHSを買ってもらうことを承諾しました。
するとママは、
「来週買って持ってくるね。」
と・・・
「PHSかぁ~」
私にとってはPHSは憧れです。
まさか私がピッチを持つことになるとは・・・夢にも思いませんでした。
そして初めてのPHSに・・・私は少し興奮しました。
数日後。
ママが私に、PHSを持ってきてくれました。
私は、
「ありがとうございます。」
と、ママからPHSを受け取りました。
私はこみ上げてくる喜びを抑えながら・・・小さく喜びました。
クリスマスにサンタさんからプレゼントをもらう子供のような気分です。
もし私が子供だったら、もっと素直に喜ぶんでしょうけど・・・
社会人なので・・・(汗)
アルバイトが終わって家に帰ると、私は寝るのを忘れてPHSのいろいろな機能を試していました。
昼の仕事があるのにも関わらず・・・
でも、こういう時って、興奮してなかなか寝れないんですよね~(笑)
未成年でお金が無い、18歳の貧乏美容師!
私は未成年なのでPHSは買えません。
私はお金が無いのでPHSを買えません。
この2つをクリアできるまで、私はずっと我慢するつもりだったのですが・・・
ママはどんな気持ちで、私にPHSを買ってあげようと思ったのか・・・?
ママと私は会うのは数回、話すのも数えるぐらいです。
いくらお金がに余裕があると言っても、面識の少ない人にそこまで出来るものなのでしょうか?
「・・・・・・・」
いろいろ考えますが、答えは出ません。
でも、きっと・・・
ママの私に対するいろいろな思いが、PHSという形になったのだと思います。
なのでこのPHSは、ママの思いやりの形だと私は思います。
人生いろいろ・・・
思いやりの形もいろいろ・・・
これが私の初めてのPHS入門デビューです。
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