美容室に就職したばかりの私は、”おしゃれをするのが身だしなみ”だと思っていました。
『何を着ても大丈夫!どんな髪型でもOK!』
私はこんなふうに思っていたのです。
好きな格好で好きな髪型で仕事をする・・・
「美容師って、なんて自由なんだろう~!」な~んて、思ってました。
でも、新人研修に参加した私は、この考え方は間違いであることに気付きました。
そう、”おしゃれ=身だしなみ”ではないのです。
◆おしゃれとは、身なりを飾ることです。
◆身だしなみとは、人に不快感を与えないように、言動や服装を整えることです。
この2つを見て分かると思いますが、おしゃれと身だしなみは違います。
美容師の身だしなみとは、お客様に不快な思いをさせないように、言葉遣いと服装に気を配った上でおしゃれをしなくてはならないのです。
身だしなみを整えるための禁止事項
新人研修で、私は身だしなみについて学びました。
服装について、髪型について、メイクについて、臭いについて・・・など、禁止事項を満たした上でおしゃれをしなくてはなりません。
この禁止事項が意外と多い・・・、そして細かい・・・
想像以上の多さと細かさに、私はびっくりしました。
美容師の身だしなみは、意外と厳しい・・・
好きな格好で好きな髪型で仕事ができると思っていたのに、どうやら私は甘かった・・・と。。。
新人研修に参加した私は、このことを実感しました。
破れたジーンズはNG!?
身だしなみを整えるための禁止事項のひとつに、”破れたジーンズは禁止”とありました。
えぇっ??
私は目を疑いました。
これは、おしゃれで有りだと思ってたのに・・・
どうやら、ここの美容室では破れたジーンズは禁止みたいです。
そして、禁止の理由についてはこうです。
『破れたジーンズを履くというイメージが、汚い・清潔感がない・貧乏くさいなど、マイナスのイメージを連想させるからです。』
そう、悪く言えばこじき・・・
そして、良く言えばヒッピー・・・
このあたりは、言葉とイメージの表現が難しいところです。
ヒッピーなんて、今ではおしゃれなファッションのひとつですが、この当時はおしゃれなイメージではなく・・・(言葉が悪くなりそうなので以下省略)
簡単に言うと、少し皮肉かかったような感じで使われていました。
なので、”良く言えば”という言葉は適切ではないかもしれませんね。
時の流れとともに価値観も変化するので・・・難しいところです。。。
って、話がズレ始めたので戻ります。
美容室のイメージは”おしゃれであること”。これは、無くてはならないイメージのひとつです。
でも、もうひとつ無くてはならないイメージがあります。
それは、”清潔であること”です。
これも、無くてはならない美容室のイメージのひとつです。
『美容室はおしゃれで清潔であること』
破れたジーンズは、これらを満たしてないから禁止ということになります。
身だしなみを整える目的と効果は!?
身だしなみを整えるための目的は、お客様に不快な思いをさせないことが一番の目的です。
お客様が不快に感じると、お店の評判に関わり、失客の原因になります。
「〇〇美容室の新しく入ったあの男の子、ジーンズを腰穿きしていて服装がだらしなく見えるわ。」
「しかも、破れてボロボロだし・・・」
なんて、お客様はお店から出ると本音を漏らします。
”服装がだらしない”だけで済めばいいのですが、ここから話が広がります。
「しかも、香水臭い!きっと香水で服の臭いをごまかしているのよ。」
「そうそう、ジーンズ何日も洗ってなさそうだよね。」
なんて、話に発展することもよくあります。
そして、この話が変な噂話として広がる可能性もあります。
良い噂ならいいのですが・・・
このような話の場合は、たいてい悪い方に広がっていきます。
それから、この噂話に尾ひれがつくこともあります。
たかが破れたジーンズなのに・・・
いや、されど破れたジーンズです。
身だしなみに対して配慮が足りないと、このようなことも起こり得ることです。
私の勤める美容室の客層は、ミセス~が全体の8割です。
”破れたジーンズに対するイメージは、客層(年代・性別)によって異なる”このことを踏まえて考えると、ここの美容室の場合”破れたジーンズはお客様に不快な思いをさせる可能性が高い”ということになります。
つまり、身だしなみを整え接客することが、お客様からの良い評価を得られることになるのです。
『目的に対する効果を最大限に発揮させるには、まずは身だしなみを整えること』
そう、目的を見失うと効果は発揮できないんです。
第一印象は身だしなみで決まる!
第一印象は見た目で決まります。
なぜなら、人間は視覚からほとんどの情報を得ているからです。
では、少し、人間の持つ五感の割合に触れてみます。
視覚(87%)
聴覚(7%)
味覚(3%)
触覚(2%)
臭覚(1%)
と言われています。
つまり、人間はほとんどの情報を視覚から得ているといえます。
これを前提で考えると、第一印象を良く見せるには見た目を良くする必要があります。
次に、メラビアンの法則をみてみましょう。
メラビアンの法則には、
◆人物の第一印象は初めて会った時の3~5秒で決まる
◆そのときのほとんどの情報は「視覚情報」から得ている
と言う概念があります。
そして、初対面の人物を認識する割合は、
視覚情報(55%):見た目や表情、しぐさや視線など
聴覚情報(38%):声の質(話す速さや声の大きさ、声のトーン)など
言語情報(7%):言葉そのものの意味や話の内容など
と言われています。
このことから分かるように、第一印象を良く見せるには、見た目が重要ということが言えます。
つまり、第一印象はほとんどの場合、身だしなみで決まるということです。
どんなに感じの良い接客をしても、身だしなみが整ってないと、相手に良い印象を与えられません。
逆に、相手にマイナスの印象を与えてしまう可能性があります。
そう、第一印象がマイナス評価から始まるということです。
身だしなみが整っていなくても、感じの良い接客でお客様の心をつかめるか?
美容室に来店されたお客様の滞在時間はどれぐらいでしょうか?
カットの場合40分、パーマとカラーの場合だと2時間半と仮定してみましょう。
この短い時間に、アシスタントがお客様を直接担当できる時間は限られています。
そして、特に忙しいときは、アシスタントがお客様を直接担当できる時間は激減します。
これを前提で考えると・・・
この短時間で、お客様の心をつかめますか?
しかも、マイナスからのスタートで、お客様の心をつかめますか?
どんなに感じの良い接客をしても、ちょっとした接客・技術などの対応ミスが、一瞬で感じの良い接客イメージを崩します。
それは、第一印象で損をしているからです。
身だしなみが整っていないということは、第一印象はマイナス評価からのスタートだということです。
第一印象を良くするために、マイナスを無くしプラスに変えていかなければなりません。
できなくはないですが、おすすめはできません。
なぜなら、身だしなみが悪いことを受け入れられない人に対しては、どんなに感じの良い接客を頑張っても受け入れられないからです。
そして、それが、クレームの増加や失客の原因に繋がります。
感じの良い接客だけでは、短時間でお客様の心をつかみにくいのです。
しかも、初対面ならなおさらです。
身だしなみが整っていないだけで、第一印象で損をします。
これが、自分一人だけで済むのならいいのですが・・・
お客様や担当スタイリスト、美容室や会社に迷惑をかけます。
そして、頑張っている自分にも・・・
美容師として、自分の成長のためにも身だしなみに気を配りましょう。
そして、身だしなみを整えましょう。
身だしなみを整えることは、美容師になるための第一歩・・・手前のことです。
身だしなみを整え、美容師としての第一歩に踏み出す準備をしましょう。
って、美容師だけの話ではありませんが・・・
だって、身だしなみを整えることは、足りない能力を補うことなのだから。。。
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