それは、夜の魔の手から女性を守る、私の大切な任務でした。
今思うと、ボディーガード出来てなかったような気もしますが・・・
でも、いないよりかはましだったと思います。
暗い夜道の一人歩きより二人歩きの方が、わりと安全で安心です。
そして、これは私の美容師アシスタント時代の出来事です。
この日は、午前中の予約が無く店内は閑散としていました。
店内にお客様がいないせいか、女性スタッフが集まって何やら話しをしています。
私は女子トークに参加する気はありませんが、ひそひそ話しているので内容が気になります。
近づいて様子を見てみると・・・
女性スタッフたちは、昨日の仕事帰りに先生が若い男性にナンパされた話をしていました。
「えぇぇっ??」
私はびっくりしました。
若い女性がナンパされるならともかく・・・、先生は60歳前後の女性です。
言い方は悪いですが、先生はおばあちゃんの部類に入ります。
これは何かの間違えでは・・・??
私は気になって詳しく話を聞いてみました。
すると、昨日仕事が終わって帰る途中に、車の中から若い男性に声をかけられたそうです。
若い男性は、先生を車に乗るように誘ったみたいで・・・
ナンパです!!
先生は、最初は相手にしなかったみたいなのですが、若い男性はしつこく車で付いて追いかけてきます。
それがだんだん怖くなったみたいで・・・先生は走って逃げたそうです。
これが昨日の夜の出来事です。
そして、こんな出来事が何度か続いたみたいで・・・
私はびっくりしました。
まさかこんなことが起きているとは思いもよらなかったからです。
「だから先生は、最近早めに帰宅してたんだぁ~」
私は納得しました。
先生はいつもサロンワークが終わると、事務所で10時まで仕事をしています。
それが最近は、8時には帰宅していました。
その理由は、これが原因だったのです。
私はそんな女子トークに参加してしまったので・・・、話が少し広がってきました。
私はM先輩に、
「先生を家まで送って帰ったら??」
と、言われました。
すると今度はS店長が、
「あっ、先生のボディーガードとして一緒に帰ればいいんじゃない??」
と、話を続けます。
「・・・・・・・」
こうして私は、先生のボディーガードをすることになりました。
あっという間の出来事で・・・
口を挟むひまもなく・・・
私は、話の展開の速さに驚き唖然としました。
女子トーク・・・、恐るべし!!
でも、私は先生と一緒に帰るのは嫌ではありません。
それに、社長(先生)と一緒に帰る機会はそうそうあるものではありません。
なので私は、先生のボディーガードを快く引き受けました。
私はこの時、今後女子トークには参加しないと決めました。
だって、話の流れと展開についていけないから・・・(汗)
そして営業後。
今日から先生と一緒に帰宅します。
先生は10時まで事務所で仕事をしています。
私も10時まで美容室で練習をしています。
10時になると美容室と事務所の鍵を掛けるので、それから先生と一緒に帰ります。
徒歩15分。
先生の家は、美容室から少し離れたところにある立派なマンションです。
マンションまでの道のりは街灯があるので暗くはないのですが、人通りが少ないのが気になりました。
ここで知らない男性に車の中から声をかけられたら・・・
私でもちょっと怖いと思います。
まぁ、私の場合はカツアゲで声をかけられるのでしょうが・・・(汗)
そんな貧弱男子でも、いるのといないのでは違うみたいですね。
先生と私が一緒に帰っているときは、先生がナンパされることはありませんでした。
貧弱男子ですが・・・、どうやらボディーガードが出来ていたみたいです。
こうして私は、先生が遅く帰宅するときはボディーガードをするという任務を全うしました。
そしてこの時間は、先生からいろんな話を聞ける貴重な時間になりました。
先生と一緒に帰るときは、私はいつも温かいオーラに包まれた感じになります。
何かに守られているような・・・
不思議と安心できる・・・
そんな感じです。
先生の温かいオーラに包まれて・・・
なんだか先生と一緒にいると、私がボディーガードされてるみたいです。(汗)
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