ついに、私の初めてのシャンプーテストの日がやってきました。
そもそもシャンプーテストとは??
お客様にシャンプーするための最低限必要な技術を習得できたかどうかをチェックするものです。
このテストに合格すると、次日からお客様にシャンプーをすることが出来ます。
美容師になるには、まずはシャンプーテストに合格しなければなりません。
シャンプーテスト当日。
ささやかな自信を持ちつつ、心地よい緊張感・・・
私は、シャンプーテストに合格するつもりでいました。
シャンプーテストは、営業終了後に本店で行われます。
このテストには、各店のスタッフ全員が集まります。
まるで、会社のビッグイベントが開催されるかのようです。
営業終了後、私の店舗のスタッフはみんなで本店に向かいました。
本店に着くと、すでに他の店舗のスタッフが何人か来ていました。
「〇〇先輩お疲れ様です。今日も1日お疲れ様でした。」
まずは、先輩たちに挨拶と握手をしていきます。
挨拶が終わると、スタッフ全員がそろうまで待ちます。
この待ち時間がたまりません。
何もせずに、ただ待つだけ・・・何とも言えない緊張感のある雰囲気に、私は押しつぶされそうでした。
そして私はこの雰囲気に、無意識にテストの重要性を感じました。
『シャンプーテストに合格しなければならない・・・』
誰も何も言ってないのに、この雰囲気が私にプレッシャーをかけます。
緊張感が高まるとはこのことです。
今日テストを受けるのは、全店の1年生7人です。
この一ヶ月で、同期のスタッフは2人辞めたので、同期は7人。
7人が同期の仲間でありライバルです。
数分後、スタッフ全員がそろいました。
本店のT店長の号令でシャンプーテストが始まります。
「〇月〇日、全店合同のシャンプーテストを始めます。〇〇お願いします。」
確かこんな感じのあいさつから始まりました。
私の働く美容室は、勉強会や講習が頻繁にあり、全店で集まることがよくあります。
そのせいか、勉強会や講習の始まりと終わりの号令はきっちりしているのです。
私はこの号令で、緊張感が一気に高まりました。
シャンプーテストはこのように行われました。
各店店長がシャンプーモデルとなり、私たち1年生がシャンプーをします。
私たちは、シャンプーを3回チェックされることになっているので、3人の店長をシャンプーすることになります。
そして誰をシャンプーするかは、その時にならなければ分かりません。
テストを受ける1年生は、3グループに分かれ、1グループずつテストを受けます。
私は、2番目のグループに入りました。
2番目なので、最初のグループのシャンプーテストが観察できます。
なので私は、他の同期のスタッフが、どんなシャンプーをするかチェックすることにしました。
すごい!!!!
一人だけ手慣れた手つきで、手際よくシャンプーをしているスタッフがいました。
同期のKさんです。
あまりのすごさに、私は見とれてしまいました。
勝てない・・・
私はそう思いました。
美容師経験のない私にも一目でわかる美しさ、シャンプーをしてもらってないのに、すごさが伝わってきます。
シャンプーテストは、勝ち負けではないのですが、なぜか「私には勝てない」と思ったのです。
私は、テストを受ける前から自信を無くしてしまいました。
『次のグループ!!』
私のグループが呼ばれました。
初めてのシャンプーテストを受けることでの緊張感、劣等感からくる自信の喪失・・・
私は、複雑な気持ちでシャンプーテストにのぞみました。
「やるしかない!!」
私は、出来ることを一生懸命やろうと思いました。
テスト前に思っていたささやかな自信はなく・・・
『はじめっ!』
私は、我武者羅にシャンプーをしました。
今までの練習と同じように・・・
頭の中は真っ白です。
「・・・・・・・・」
気付いたら、私のシャンプーテストは終わっていました。
自分のシャンプー技術が、テストに合格できるレベルかは分かりません。
ただ、自分に出来ることは全てやったという満足感でいっぱいでした。
自分のテストが終わった後、私は自分のしたシャンプーを思い返していました。
練習どおりにできたこと、できなかったこと、難しかったこと、苦手と感じたこと、全くできなかったことなど・・・
あれこれ考えていると、あっという間に時間が経ち、全てのシャンプーテストは終わっていました。
いよいよ合格発表です。
テストの結果が発表されます。
「今回のシャンプーテストの合格者はいません!」
本店のT店長が、みんなの前で発表しました。
店長の話はまだ続きます。
「ただし、お流し(プレーン)のみの合格者は1人。I支店のKさんです。」
店内では拍手が飛び交います。
「やっぱり!!」
私はそう思いました。
それは、明らかに1人だけシャンプーの手際よさが違ったからです。
「おめでとう!」
この時の私には、この一言が言えませんでした。
同期なのに、なぜこんなに差がついたのか・・・
私は悔しくて・・・
この日のシャンプーテストは、これで終わりました。
自分の未熟さを感じながら、明日からのシャンプー練習の見直しです。
初めての私のシャンプーテストは不合格で終わりました。
これが私の美容師としての最初のシャンプーテストです。
<頑張ってる美容師アシスタントのために!>
一つの技術を修得するのは大変なことです。
知識や経験が少ない人は、数をこなすことで引き出しを増やさなければなりません。
短期間で最高の成果を上げる方法もありますが、まずは数をこなしましょう。
一つの技術を修得するのは大変なことです。
知識や経験が少ない人は、数をこなすことで引き出しを増やさなければなりません。
短期間で最高の成果を上げる方法もありますが、まずは数をこなしましょう。
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