そして私は、上巻きと下巻きができるようになりました。
しかも・・・
『1本15秒で巻ける』
ようになったのです!!
まぁ、毎回1本15秒巻けるわけではありませんが・・・
10回に1回は15秒で巻けるようになりました。
「うぅ~ん、大した進歩です!」
巻き収まりはまだまだですが、1本巻きでタイムに入るようになりました。
この調子なら全頭20分も可能なはず・・・
ワインディングを始めたときに比べ、ワインディングに自信が付いてきました。
そんな私の姿を見てか、店長が
「今からタイムを20分計るので、全頭巻いてください・・・」
と、私とOさんに言いました。
「えっ??」
と、私はびっくりしましたが
「タイミング的には丁度いい、どこまで出来るか挑戦したい・・・」
と、思いました。
そして、私は
「Oさんは大丈夫かな??」
と、気にかけながら・・・
全頭を巻く準備を始めました。
現段階で、私は下巻きが得意です。
早いときでは、1本15秒以内で巻けます。
まぁ、見た目は汚いですが・・・
上巻きに手こずる分、下巻きで時間をかせがないとタイムに入りません。
私はワインディングの準備しながら、どこで時間短縮を計るか考えました。
「ちょっと早めに下巻きに入ろう!」
いつも下巻きは、ミドルセクションから始めていたのですが、今回はタイムを計るということで、ちょっと早めに下巻きを始めようと考えました。
そして・・・
「はじめっ!!」
店長の号令で、私とOさんはタイム20分のオールパーパスを巻き始めました。
タイムは店長が計ります。
そして、タイマーは店長が持っています。
なので、途中で”今、何分経過したか?”を確認することができません。
でも、10分前、5分前、1分前は店長が口頭で教えてくれるということで・・・
私は落ち着いて巻きました。
「あせったら失敗する・・・」
そう、自分に言い聞かせながら、落ち着いて落ち着いて・・・でも、急いで・・・
さっき考えたように、早めに下巻きに入り・・・
「やばいっ!!」
時間短縮のために、早めに下巻きに入ったのはいいものの・・・
巻きなれない場所を下巻きで巻くのは意外と難しい・・・
パネルをアップステムで巻くことができず、早速失敗。
私はロッドを落としてしまいました。
「・・・・・・」
私は、これでは間に合わないと思い、やり方をいつも通りに戻しました。
本番で、慣れないことをやるものではないですね。(汗)
いくら毎日練習しているからと言っても、絶対的な練習量が足りていせん。
私には、本番でいきなり新しいことに対応する能力がありませんでした。
センター巻き終了。
続いてバックサイドに入ります。
私は、Oさんがどこまで巻いているか気になりました。
なので、Oさんの方をチラッと・・・
「えぇっ??」
Oさんは、そろそろバックサイドを巻き終わりそうな感じです。
私の方が早く巻けると思っていたのに・・・
Oさんの方が私より早く巻いていたのです。
私は自分の目を疑いました。
でも、これは事実です。
何度確認してもOさんの方が私より早い・・・
「・・・・・・」
私はなぜか考えました。
巻き方を変えたせい?
さっきロッドを落としたせい??
それとも、私がOさんをあなどっていたせい???
何が原因か考えましたが・・・
答えを考える余裕がありません。
「とにかく急いで巻き終わろう!」
私は、目の前の課題に集中することにしました。
そして、なんとかOさんとの差を縮めようと頑張りました。
でも、差はなかなか縮まりません。
「残り5分!!」
店長が残りタイムを読み上げます。
私とOさんの差は縮まる気配がありません。
「・・・・・・・」
「もう追いつけない・・・」
私は確信しました。
そして、「ウサギとカメ」の話を思い出しました。
今の私はウサギだと・・・
Oさんより、ちょっと上手く巻けるようになったから、ちょっと早く巻けるようになったという気持ちが自分を過大評価し相手を見下した。
自分の小さな自信に、あぐらをかいていたのだと・・・
私は恥ずかしくなりました。
Oさんとは、美容室に入社したのも同じ、美容歴も年齢も同じ、そしてワインディングの練習を始めた日も同じです。
私とOさんとの差はないのに・・・
こんな私に・・・
どこに・・・
どこにあぐらをかく余裕があるのか???
圧倒的な練習量も足りてないのに・・・
私は残り時間の数分、そんなことを考えていました。
そして、恥ずかしくなった自分に反省しました。
「残り1分っ!」
店長の声が店内に響きます。
私は開き直って・・・
Oさんのことを考えるのを止めました。
そして、今自分の目の前にある課題にだけ集中することにしました。
タイムには絶対に入らない・・、でも・・・
少しでもタイムに近づけるように努力する・・・
今の私に必要なのは”これ”だと・・・
「やめっ!!」
残り1分が終了しました。
全頭20分のワインディングの終了の時間です。
私は、右サイドとバックサイドを少し巻き残し終わりました。
Oさんは、なんとか全頭巻き終わっています。
「はぁ~・・・」
と、一息。
私は今回のワインディングの練習でひとつ学習しました。
「ライバルはOさんではない、自分自身なのだと・・・」
目的はOさんに勝つことではなく、20分以内にオールパーパスを巻くこと。
ワインディングが上手くなることです。
そして目標は、一人前の美容師になることです。
自分では分かっているつもりなのに・・・
時々、自分を見失います。
まだまだ、修行不足ですね。(笑)
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