しかも先生は、現役の美容師で美容室のオーナーです。
毎日忙しいのにも関わらず、1日3冊の本を読む・・・
これは、美容師アシスタントの私にとって信じられないことでした。
美容師に読書は必要ない!!
当時の私は、そんなふうに思っていました。
でも、美容師アシスタントには読書は必要です。
それは、本を読むか読まないかで、スタイリストになった時に差が出るからです。
アシスタント時の小さな積み重ねの差が、スタイリストになったときに大きく現れるのです。
もちろん、技術練習の積み重ねも必要です。
でも、この時の私は・・・何も考えていませんでした。
ある日、朝礼が終わると先生は私に質問しました。
「あなたは本を読むの?読まないの?」
いきなりの質問に、私はびっくりしました。
学生時代に少し本を読んだことはありますが、読んでも1年間に5冊ぐらいです。
マンガを入れると結構な数になると思いますが、さすがにマンガをカウントできません。
なので私は、
「いいえ、あまり読みません。」
と、答えました。
すると先生は、
「本を読みなさい!!」
と、私に言いました。
いきなりのことに、私は唖然としました。
いきなりそんなことを言われても・・・生活もギリギリで本を買うお金に余裕がありません。
私はなんとか話を流そうとしました。
「本を買うお金に余裕がないので・・・」
と、私が言うと、先生が私に本を貸してくれると言うのです。
「・・・・・・・」
私はなんとか断ろうとしました。
「私は本を読むのが苦手なので、一冊読み終わるのに何日もかかります。先生の大切な本を何日もお借りするのは申し訳ないです・・・」
と。。。
すると先生は、私に無期限で本を貸してくれると言うのです。
「・・・・・・」
私は諦めました。
先生は私に、どうしても本を読んでほしいみたいです。
なので、私は先生に本を借りることにしました。
仕事が終わると、先生が1冊の本を持ってきてくれました。
タイトルは・・・えぇっと・・・忘れちゃいました。(笑)
でも、難しい本だったことは覚えています。
小さな文字がギッシリと書き込まれ、挿絵はほとんどありません。
「・・・・・・・」
こういう本って退屈で、なかなか読めないんですよね~
しかも、内容が難しすぎて頭に入らないし・・・
人から物を借りるのが苦手な私は、出来るだけ早く読んで本を返そうとしました。
本を読むこと1週間。
私は、なんとかこの本を読み終わりました。
そして、私は先生に本を返すときに、本の感想を付け加えました。
「本の内容が難しすぎて理解でなかったです。」
と。。。
私が学生時代に読んでいだ本は、ほとんどが赤川次郎の小説がでした。
しかも、私は小説が好きなのではなく、ただ暇をつぶすために読んでいただけです。
そんな私に先生が貸してくれた本は、難しいビジネス書籍です。
内容はおろか、言葉の意味すら分かりません。
読み書きの嫌いな私が、内容を理解できないのは当然のことです。
翌日。
先生は、違う本を持ってきました。
今度は2冊です!!
私は唖然としました。
「1冊本を読めば、倍になって返ってくる・・・」
私は逃げれないと痛感しました。
今度の本も難しそうな本です。
しかも2冊も・・・
先生はきっと、本に慣れろと言いたかったのだと思います。
私はこの2冊の本の内、1冊目の3分の1ぐらい読んだところで本を読むのを止めました。
今思い返すと、先生は私に期待していたのだと思います。
『仕事のできる男になれ!!』
と。。。
私が本を好きになったのは、これから3ヶ月後のことでした。
本を読むことは大切なことです。
それは、本を読むことが自分を成長させるからです。
つまり本は、自分を磨くツールのひとつなのです。
「本の数ほど知恵がある」
この言葉通り、本を読むことは成長の近道なのです。
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